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2017年に放映された映画・ドラマベスト

2018年01月03日 08:30

 こんにちは、mayaです。
 もう新年になったのに昨年を振り返る記事を書いているというのも何だか変な気分ではありますが、まあ残してしまった宿題みたいなものなので、淡々と消化していきたいなと思います。

 さて、2017年に放映されたとはいっても、映画については足繁くシネマに通うほどではなく、単館に見に行くほどマニアックでもなく、というか大きなスクリーンに大音響となると、必然的にエンターテイメント大作やアニメーション作品の話題作に偏りがちで、結局のところ、休日はめっきり出不精になったおっさんにとってはBDになった作品をやっとこさ家で観ているといった感じで、まあ何が言いたいかというと、他の2017年のベストリストが新作や新刊のリストだったのに対して、こちらはいわば二、三年遅れたものになっているわけです。

 とまれ、昨年もそこそこ映画は観ているので、以下、その中から気に入った作品の備忘録となります。ちなみに、わたしは邦画や日本のTVドラマは一切観ないので、その点だけご容赦ください――



ブリッジ・オブ・スパイ (2015年10月米国、16年1月日本公開)
 スティーブン・スピルバーグ監督、コーエン兄弟脚本、トム・ハンクス主演。

 

 
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 スピルバーグが久しぶりにメガホンを取って、しかも脚本がコーエン兄弟なら、娯楽大作ではないけど成功が約束された着実な映画だな、いつ観ようかなあ楽しみだなあ、と思っていたら2017年になるまでてっきり忘れていたという感じで、やっとこさ今年のベストに入ってきました。

 スピルバーグというと、超娯楽大作に比して、『シンドラーのリスト』、『マイノリティ・レポート』や『リンカーン』などのように社会派のエンターテイメントもあって、個人的には後者の方がずっと好きなわけです。そもそも、スピルバーグの何が好きかって、いかにもアメリカにいるユダヤ人らしく民主主義というものを信じちゃいないところがいい。多数決が正しい結果を導くなんて微塵も思っていない。だから、『リンカーン』では汚い議会工作の描写を克明に描いたし、本作でも「ソ連のスパイに死刑は当然」という大多数の国民の声に平然と立ち向かう弁護士ドノヴァンの姿を描きます。そのドラマが素晴らしい。

 ちなみに、昨年はディズニーの『ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』とかいうどうでもいい作品の監督をやっていましたが、日本では3月に『ペンタゴンペーパーズ 最高機密文書』の公開が待っています。こちらもとても楽しみです。



スポットライト 世紀のスクープ (2015年11月米国、16年4月日本公開)
 トム・マッカーシー監督、トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー脚本、マーク・ラファロ出演

 

 
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 学生の頃、「好きな映画は?」と聞かれて、『告発』(95年、マーク・ロッコ監督、クリスチャン・スレーター、ケビン・ベーコン出演)と答えるような気真面目なタイプでした。ノンフィクションに程近いヒューマンドラマは今でも好きなジャンルです。そんなわたしが昨年、BDになったこの作品に飛び付いたのも必然だったと思います。

 ストーリーについて端的に言えば、アメリカのマサチューセッツ州ボストンの教会で神父が少年に性的虐待を働き、それをボストングローブ誌が報じたことをきっかけにして、全世界で何千人もの被害者がこれまで隠匿され続けてきたことが暴かれ、2000年代初頭にバチカンを含んだ世界中のカトリック社会を震撼させたスクープの内実を描いたものになります。ボストングローブ誌のチームの活動を通じて、ボストンの街を支配しているカトリックという名の権力に対峙したジャーナリズムの有り様はたしかに素晴らしい。しかし、本作は前述の『告発』と同様に、アメリカ社会における正義のあり方についても強く問いかけていきます。異教徒に対して容赦くなく戦争を仕掛ける正義と、社会的弱者と真実を守る為にはたとえ相手がカトリックの教会であっても立ち向かわなくてはいけない正義――アルカトラズでの告発を経てからおよそ半世紀以上、アメリカは果たして少しでも変わることができたのでしょうか。



ハドソン川の奇跡 (2016年9月日米同時公開)
 クリント・イーストウッド監督、トッド・コマーニキ脚本、トム・ハンクス主演

 

 
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 いきなりですが、クリント・イーストウッドはわたしの憧れです。かつては銀幕のスター。老いては監督の立場にあって、これほどに名作を連発し続けている。こんなおじいちゃんにわたしはなりたい。

 そんな個人的な感傷はさておき、イーストウッドの作品というと、正義や悪といったものを絶対的に扱わず、どちらかといえば人間の内面を淡く、曖昧に、それでいて深く、どこかほの暗く描いている作品が多かったように思います。いわば、あれだけスポットライトを浴びてきたはずの名優なのに、不思議なことに、どこにでもいる者の影に好んで焦点を当てています。ところが、本作では「USエアウェイズ1549便不時着水事故(通称:ハドソン川の奇跡)」というノンフィクションを扱ったせいか、機長であるサレンバーガー(作中ではサリー)の英雄譚になっています。ただ、そこはさすがにイーストウッド――アメリカ社会で一夜にして英雄とされた彼がどのように苦悩し、責められ、彼の判断についてまわった二面性、あるいは闇といったものに平然と切り込んでいきます。

 16年度の国内の洋画ランキングで上位を独占した作品。ここで紹介するまでもなく、紛う方なく迷作――見逃していたなら年始のうちに真っ先に観るべき一本です。



幸せなひとりぼっち (2015年スウェーデン公開、16年12月日本公開)
 ハンネス・ホルム監督、フレドリック・バックマン原作、ロルフ・ラスゴード主演。

 

 
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 最近、ミステリといい、文芸シーンといい、スウェーデン発の作品が色々と面白いです。本作も、「『スターウォーズ フォースの覚醒』を抑え、五週連続一位の快挙、スウェーデンで国民の五人に一人は見た」とかいう『君の名は』もびっくりなポスターの常套文句にやや眉をひそめるものの、実際に観賞したらそんな王道の謳い文句もたまにはいいか、と納得してしまった見事なヒューマンドラマになります。

 妻を失くしてその後を追うところだった老人オーヴェのもとに、それと知らずにドタバタと押しかけてくる隣人たちのトラブル。もともとクレーマー気質な上に不機嫌な老人オーヴェはそれを当然のように煙たく思うものの、彼らと接していくうちにしだいに心を溶かしていきます――といったふうに書くとありがちなパターンですが、もしわたしたちのご近所にいたら絶対に接したくはない偏屈な老人にまつわるエピソードが何とも素晴らしい。この回想シーンを通じて、オーヴェがしだいにお気に入りになっていくのだから、これはもうプロットと脚本の勝利といえるでしょう。何より、老人オーヴェはある秘密を抱えているわけですが……と、あとは実際に観ていただけたらと思います。ひとりぼっちでもいいじゃない。そんな幸せにひたれる稀有な作品です。



ラ・ラ・ランド (2016年12月米国、17年2月日本公開)
 デミアン・チャゼル監督・脚本、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン出演

 

 
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 最後のスタッフロールにたどり着いたとき、これは間違いなくオールタイムベストに値する、と直感する作品があります。たとえば、わたしの場合は『ライフ・イズ・ビューティフル』がそうでした。今でも視聴したときの記憶がまざまざと思い出せます。また、何ら瑕疵のない作品としていまだベストに上げることもできます――そして、今、わたしはこの『ラ・ラ・ランド』を同じリストに加えることに躊躇など一つもありません。17年のうちに観たベストどころか、2010年代のトップに躍り出てくる傑作です。ゴールデングローブ賞やアカデミー賞の多数部門を受賞という触れ込みははったりでも何でもありません。たしかに一部ではご都合主義なシナリオとの評価もあるでしょう。しかし、誰かを好きになる哀しさと、現実という名の人生の苦しさと、いつまでも夢を追いかけ続けるアーティストの切なさに、わたしは拍手を送りたい。創作をしている人ならば絶対に観るべき作品――そして、あなたの人生のそばに置いてほしい、ロマンに溢れるミュージカル映画の最高傑作です。



わたしは、ダニエル・ブレイク (2016年10月仏公開、17年3月日本公開)
 ケン・ローチ監督、ポール・ラヴァーティ脚本、デイヴ・ジョーンズ主演。

 

 
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 引退したはずのケン・ローチがそれを撤回して復活してまで撮り、第69回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した作品です。イギリスの緊縮財政によって福祉政策が民間企業に委託されて、合理化と効率化が求められた結果、直面している社会問題をコミカルに、もしくはシリアスに描いています。

 主人公の老人ダニエルは心臓発作によって長年勤めてきた大工の仕事を辞めざるを得ず、いわゆる生活保護を申請します。しかし、ダニエルの審査を担当した者はろくに相手もせず、申請は却下されます。その後も手続きはダニエルのよく知らないコンピュータでと知らされ、職業安定所に憤慨しに行くと、そこで貧困にあえぐケイティという若い女性に出会うのですが――

 ストーリーの序盤は生活に行き詰った老人ダニエルに対する冷たい仕打ちをコミカルに描いていますが、ケイティと出会い、人としての温もりをざらつかせたあたりから、一気にこの映画は視聴者にリアリティを突きつけていきます。特に、貧しくて食事すらできないケイティが廃棄食品を涙ながらに食べるシーンは圧巻です。

 市場主義は合理的なシステムではなかったのか。なぜ効率は公正に反してしまうのか。そして、セーフティネットから外れた人間はもう社会から資源とはみなされず、文化的で最低限の生活さえ送る権利を失ってしまうのか――貧困と格差の問題を果たしてわたしたちはいつ解決できるのでしょうか。



ダンケルク (2017年7月米仏公開、9月日本公開)
 クリストファー・ノーラン監督・脚本、ファン・ホワイトヘッド主演。

 

 
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 コーエン兄弟、タランティーノ、デヴィッド・フィンチャー、イニャリトゥやポール・トーマス・アンダーソンといった作家性の強い同時代の監督の中で、わたしの一番のお気に入りがクリストファー・ノーランです。天才と狂人は紙一重といいますが、まさにそんな二面性を軽やかに行き来している監督で、時系列があっちこっちに飛び、キャラクターの主観でさえもどっかに行ってしまうことがあるものの、一貫しているのは、スタイリッシュな映像が撮れれば設定だろうが世界観だろうがお構いなしで放り投げてしまう潔さでしょうか。

 そんなノーランが史実のダンケルクの戦いを描いたというのだから、その時点でどんな苛烈な作品が出来上がったのか、うち震えたほどです。ダンケルクとは第二次世界大戦におけるドイツのフランス侵攻、いわばフランスにとっては最悪の撤退線です。それを陸軍、海軍や空軍それぞれの視点から描きだしていきます。当然、ラストはいつもお決まりのクロスカッティング――言葉(台詞)は少なめでいい。映像で全て語ればいい。撤退せざるを得ない勇気と、凄惨な戦線の中でも救わなくてはいけない狂気。戦争の真実とか、正義とか、そんなものはどうだっていいんです。このフィルムで描かれたキャラクターやシーンが格好良ければ全てよし。本当に、本当に……、ノーランの作品は根底からして狂っています(褒め言葉)。



カンフーヨガ (2017年1月中国公開、12月日本公開中)
 スタンリー・トン監督・脚本、ジャッキー・チェン主演。

 

 その日、わたしはある種の解放感にひたっていました。11月と12月で合わせても三日ほどしか休めなかったデスマーチという名の年末進行――それがついに終わったのです。もうわたしを束縛するものはほとんどありません。だから、大人げない散財によってストレスを発散し、同じ余韻を共有していたはずの同僚を誘って飲み歩いて、さて、最後にガルパンでも観て家に帰ろうかと、新宿の映画館に向かったわけです。酔いというのは恐ろしいものです。わたしはたしかにバルト9に行ったはずでした。しかし、着いた先はなぜかTOHOシネマズの方でした。単純な勘違いです。深夜でやけに人が並んでいるな、やっぱガルパンおじさんたちすげーなと思ったら、スターウォーズの新作をレイトショーで観たいと熱望するファンの列だったのです。ここにきて、さすがにわたしもためらいました。二つの館はほんの二、三百メートルほどしか離れていません。まだガルパンの上映には間に合います。でも、「もういいか」と。ほどよく疲れていたこともあって、カンフーヨガのチケットを買ってしまったのです。本当に魔が差したとしか言いようがありません。とはいえ、後のことは、実はよく覚えていません。ただ、近くに座っていたおっさんと一緒になって下品にげらげらと笑っていたのはたしかです。もちろん、内容なんていまいち記憶にありません。多分、しらふで観ても、記憶に留める必要もないほどしょうもないストーリーだったと思います。それでも、あのときわたしはたしかにジャッキー・チェンとインド映画の奇跡的な結実に拍手を送っていました。だからこそ、わたしはこのリストに本作を載せたのです。皆にも同じような幸せを感じ取ってほしいから。何だか無性にカンフーしながらダンスしたくなるから。車が何台も宙を飛んで、全て爆発してオールオッケーな気分になるから。そして、きっと笑顔になれるから――ただし、それがあまりに作品が下らないが為の冷笑だとしても、わたしは責任を持ちません。



 最後に、次点は遠藤周作さん原作の『沈黙 ―サイレンスー』(2016年12月米国、17年1月日本公開。マーティン・スコセッシ監督、ジェイ・コックス脚本、アンドリュー・ガーフィールド主演)と、NHK総合でも放映しているアメリカのTVドラマ『THIS IS US 36歳 これから』(NBC制作、ダン・フォーゲルマン脚本、マイロ・ヴァンデミアら出演)。本当は海外ドラマについてはもうちょっと色々観たので書きたかったのだけど、映画だけで結構エネルギーを消費しちゃって、もういいかとなってしまいました。正直、『カンフーヨガ』は蛇足だったかな。

 それでは今年もどうかよろしくお願いします。





【関連リンク】

2017年に発表された洋楽ベスト
2017年に放映されたアニメ作品ベスト
2017年に発売された邦楽ベスト
2017年に発売されたアニメソングベスト
2017年に刊行された小説新刊ベスト
2017年に刊行された漫画新刊ベスト

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【映画】2010年度映画ベスト

2010年12月31日 17:58

 こんにちは、mayaです。
 今年も残すところ、あとわずかとなりました。そんなわけで、これまでのライトノベル、小説、マンガ、音楽に引き続き、2010年に聞いて、観て、あるいは読んで良かったものについての簡単なメモとなります。今回で最後ですね、映画に関して――


【2010年 映画・ベスト】
 ※映像は全てトレーラーです。


 

◇クリストファー・ノーラン監督、『インセプション』(アメリカ、2010)
 キャスト:レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、他
 公式URLはこちら

 眠っている間に、その人の潜在意識に侵入して、アイデアなどを盗み出すスペシャリストのコブ(=レオナルド・ディカプリオ)は、ふとしたきっかけで国際指名手配を受けてしまいます。そんなコブは名誉挽回のために「インセプション」というミッションに立ち向かうのですが――
 あの《バットマン》シリーズの傑作『ダークナイト』を手がけた鬼才、クリストファー・ノーランが監督という時点で、もう期待で胸がはち切れそうになりますが、本作はむしろ、良質なSFサスペンスといったふうで、少なくとも、観終わった後にネットなどで他の人のレビューを確認したくなるぐらい、いくつかの伏線、トリックなどが有機的に機能しています。映画館だけじゃ足りない。DVDレンタルするしかない。それでも、まだ分からない!w
 今年のSF映画の最高峰。ちょっとだけ物足りないとしたら、渡辺謙さんがいまいち役に合っていなかったかな、といったことぐらい。お正月にこそ、ぜひどうぞ。




 

◇ニール・プロムカンプ監督、『第9地区』(オーストラリア、2009)
 キャスト:シャールト・コプリー、他
 公式URLはこちら

 南アフリカ共和国のヨハネスブルグに、突然、エビ(=地球外生命体のこと)が舞い降り、それから28年後、南アの第9地区(=スラム)で人間はエビと戦いつつも共生をしていました。そのエビを強制退去させようと派遣されたヴィカス(シャールト・コプリー)はふとしたことで、さらなる戦いの引き鉄を引いてしまうのですが――
 上記の『インセプション』と同様、2010年度のSF映画を代表する作品。ただし、ちょっとばかし癖があって、手放しで素晴らしいと言える作品ではないのですが、日本のアニメの影響がかなり垣間見れるところを含めて、アニメファンにこそ観てほしい作品です。特に、メカ好きの人は必見!




 

◇トーマス・アルフレッドソン監督、『ぼくのエリ、200歳の少女』(スウェーデン、2008)
 キャスト:カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデション、他
 公式URLはこちら

 ストックホルムの郊外、12歳のオスカー(カーレ・ヘーデブラント)は学校でいじめられていましたが、あるとき隣に引っ越してきたエリ(リーナ・レアンデション)と出会ったことにより、せめていじめにあわないぐらい強くなろうと願います。その一方、ストックホルムでは全身の血を抜き取られた青年の死体が見つかっていました――
 ヨン・リンドクヴィストの『モールス』(ハヤカワ文庫NV)を原作者自らが脚色して、2008年の映画公開後、世界中の映画賞を総ナメにしてきたヴァンパイアもの。ポイントはそのモンスターを少女が演じているということ。これはもう、観にいくっきゃないと、エリ目的で行ったわけですが、そのストーリーと演出の高さに思わず、「あ、これ、すげーや」と感嘆していました。猟奇殺人、吸血鬼の少女、その少女に焦がれる少年、そしてストックホルム郊外の冷たさと、残酷なまでの子供たちの世界。その全てが素晴らしい。
 とはいえ、本当に、本当に、本当に(!!)、残念なのが、とあるシーンで、とある部分にぼかしが入っていたこと!! くそう、こうなったら、日本を飛び出して海外で見てやろうかと、真剣に思ったほどです。
 2011年2月にDVD化とのことなので、未見の方はぜひどうぞ。




 

◇カニー・ルコント監督・脚本、『冬の小鳥』(韓国、フランス、2009)
 キャスト:キム・セロン、パク・ドヨン、コ・アソン、他
 公式URLはこちら

 孤児院に入れられた少女のジニ(キム・セロン)は、いまだに父親が戻ってきてくれると信じています。その孤児院で知り合ったスッキ(パク・ドヨン)と意気投合し、屋上で死にかけていた小鳥をひっそりと飼いはじめるのですが、一人、またひとりと、里親にもらわれて去っていく子供たち。それでも、ジニは頑なに父親を待ち続けます――
 とにもかくにも、ヴァンパイアのエリも可愛いんだけど、このジニも、めちゃくちゃ可愛い!(ええと、断っておきますが、ロ×が出ている映画をすべからく推薦しているわけじゃありませんよ、本当です) とりあえず、公式サイトでジニが可愛いと思った紳士の皆さんは、すぐに観にいきましょう(ひどい紹介の仕方だな、おい)。




 
 ※スペイン語のトレーラーです

◇ホアン・カセ・カンパネラ監督、『瞳の中の秘密』(アルゼンチン、2009)
 キャスト:リカルド・ダリン、ソレダ・ビジャミル、他
 公式URLはこちら

 刑事裁判所を退職したベンハミン(リカルド・ダリン)は、以前担当した未解決の殺人事件をネタにした小説を執筆しようと試み、昔のボスの女性検事補イレーネ(ソレダ・ビジャミル)と共に、再度、その事件の闇へと迫っていくことになるが――
 原作があるなら、ぜひとも読んでみたい作品。タイトルのとおり、登場するキャラクターのいずれの瞳にも秘密がひそんでいます。そんな静謐な雰囲気が良く、また、過去の出来事をベンハミンの小説で振り返るというフラクタルな構造にもなっていて、そんな仕掛けも良いという、一粒で二度美味しい作品です。
 映画『インセプション』とはベクトルが異なり、人間の情念の奥深さをその目でそっと語るといった大人のサスペンス作品です。どんでん返しを楽しみたい人はぜひどうぞ。




 

◇石原立也監督、『劇場版 涼宮ハルヒの消失』(京都アニメーション)
 キャスト:杉田智和、平野綾、茅原実里、後藤邑子、小野大輔、他
 公式URLはこちら

 2000年代のアニメのベスト5に入る作品。正直なところ、《涼宮ハルヒ》シリーズは原作の1巻と、2巻を途中まで読んで止めていたのですが、この映画を観たことで、原作を一気に揃えてしまったのはいうまでもありません。それほど、少なくとも、原作未読者にとってみれば、この映画の出来はすごく良く、何よりも2時間40分が気にならないくらい面白かったです。
 特に、キョン(杉田智和)が「(ハルヒに振り回された)非日常が本当は楽しかったんだろう?」と、自らに問いつめるシーンは本作中の白眉――これこそ、ライトノベルの真髄に他ならないのではないでしょうか。ちなみに、個人的には、最後の病院のシーン、夕日を浴びて、寝袋でぐっすりと眠っているハルヒがすごく好きです。ツンデレ少女の寝顔って宝物ですね!
 で、やっぱり、ライトノベルの主人公はここぞってときに、飛び出しかねない勢いで走らなきゃならない――そんなふうに空でも、少女でもないんだけど、「平行世界をかけた少年」の物語。続きが気になる方は、原作の『涼宮ハルヒの陰謀』(谷川流、角川スニーカー文庫)をどうぞ。



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