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【マンガ】天乃忍『ラストゲーム 1』(白泉社)

2012年01月25日 22:47

 
ラストゲーム 1 (花とゆめCOMICS)ラストゲーム 1 (花とゆめCOMICS)
(2012/01/04)
天乃忍

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超完璧少年・柳の前に、転校生・九条が現れ、勉強・運動で惨敗! 柳は人生初の挫折を経験し、九条への雪辱を誓う。同じ中学、高校に進学する中、「惚れた方が負け」という言葉を耳にし、柳はある事を決意する。10年に渡る2人の勝負《ラストゲーム》が、今始まる!!
公式HPはこちら(花とゆめ.comトップページへのリンク)
※ウェブで試し読みを公開中。


今まで出会った奴らは、好悪どちらにせよ、オレに対して何らかの感情を寄せてきたのに、コイツが見てるのは前だけだ。…こっちを見ろよ。思い知れ。――お前に勝って、その瞳にオレを映させてやる。
――柳(第1話、GAME1)

その柳とも、向こうから声をかけてきてくれたから成り立っていた関係だったんだ。私はいつの間にそれを当たり前だと思うようになっていたんだろう。――私はいつだって、彼に助けられていたのに。
――九条(第3話、GAME3)

「勝負しようぜ、九条」
「……何、いきなり」
「正真正銘、最後の勝負《ラストゲーム》。オレが九条に気持ちを自覚させられたら、オレの勝ち――どう?」
「…何の話?」
「オレが勝ったら――」
――柳、九条(第3話、GAME3)


 三日坊主にならなかったどー。

 こんにちは、mayaです。地味に更新していきます。三十路ももう半ばに近いおっさんが少女漫画を紹介してどうするんだというかるい絶望感もあるわけですが、そんなこといったって、良い作品は本当に良いのです。ちなみに、本作は三篇所収の短編集で、『ラストゲーム』(平成23年)以外の『きみと、しあわせ』、『ひだまりの庭』はそれぞれ平成15年、14年の描き下ろしとなります。

 主人公の柳くんは、顔も良ければ、家もお金持ち、勉強もできて、スポーツもできる完璧超人。やや傲岸不遜で、自分の物差しでしか物事を見られないという欠点はありますが、いわゆる王子様気質のぼんぼんです。当然のように傲岸に振る舞っていた小学校時代、柳くんの前に無口かつ地味かつ貧相な一人の少女が転校してきます。少女の名前は、九条さん。彼女は王子様よりも優れた成績を文武において示し、激昂した柳くんにこう言い返します――

「オレにそんな態度とっていいと思ってんのか!? オレは柳リゾートの跡取りなんだぞ。社長の息子なんだ」
「社長の息子だかなんだか知らないけど、それはあなたのお父さんがすごいんであって、あなた自身がすごいわけじゃない」

 初の挫折でさらにヒートアップする柳くん。勉強のしすぎでふらふらと意識朦朧となり、たどり着いた先は(倒れていたところを九条さんに担がれた)、六畳間ぐらいのボロアパート。そこは九条さんの実家。そこで柳君は、九条さんは母子家庭で、お母さんは娘を育てる為にいつも夜遅くまで働いており、逆に九条さんはいつかお母さんを楽にしてやりたいからしっかり勉強してることを聞きます。

――九条の作ったチャーハンはうまかった。オレは、生まれて初めて誰かに対して、負けたって思った。

 さて、その九条さん。中学に進学してからも、文武両道をそのまま突き進み、暗く、友達もなく、地味で、それでいて超然としているところからついたあだ名は『鉄の女』。対して、見事な女たらしに成長した柳くんは、あるとき、九条さんに廊下でスルーされかけたことをきっかけとして誓うのでした。

――お前に勝って、その瞳にオレを映させてやる。

 ところが、その勝負について、脳内のシナプスのどこがどう発火したのかは分かりませんが、「惚れた方が負け」だという言葉をちらりと耳にして、柳くんはとあることに気づきます。

――お前をオレに、メロメロにしてやるぜー!!(悪人面)。

 というのが、第1話「GAME1」の簡単なあらすじです。つまり、小学校から中学時代が第1話、高校時代が第2話、そして大学時代が第3話となります。ただし、本編では冒頭で大学時代のシーンが挿入されており、そこで柳くんが九条さんに対して、「最後の勝負《ラストゲーム》をしよーぜ」と持ちかけるという入れ子構造になっており、その結果、プロローグがエピローグへと繋がるようになっています。
 はてさて、「最後の勝負《ラストゲーム》」の結果は如何に――


 本作、九条さんはさながらロボットのように全く表情を動かさないのですが、あるシーンで唯一動揺し、そして笑みも浮かべます。その九条さんの微笑が何よりも素晴らしい。誌上では三話のみの短編の予定だったそうですが、読者の要望により、続編が決定しており、小学校時代から戻ってストーリーを濃くするのか、それとも大学時代のこのラストゲームの着地を描くのか、いずれにしても、これまた素晴らしい作品です。


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