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2017年に発売されたアニメソングベスト

2017年12月30日 17:00


 こんにちは、mayaです。
 今年発表された音楽の私家版ベストの備忘録を残したいというわけで、アニメソングとそれ以外に分けています。とはいえ、ここ十年ほど、メジャーなミュージシャンもどんどんアニソンに参入してきて、最近は昔のような障壁は取っ払われて久しく感じますが、YOUTUBEの直リンを幾つも貼るとページが重くて更新するのが面倒になるので、便宜的に分けたい次第です。

 では、それぞれ五曲ずつ紹介させてください――


◆TVアニメ『ACCA13区監察課』OP
・ONE Ⅲ NOTE、「Shadow and Truth」

 

 当初は覆面ユニットということで、ボーカルの声質からしてもしかして林原めぐみさんが歌っているんじゃないのかと勘ぐる向きもありましたが、蓋を開けてみたら……何とボーカルはORESAMAのぽんさんということでびっくりした記憶があります。だって、ORESAMAといったら、アニメ『アリスと蔵六』のOPとか、アニメ『魔法陣グルグル』前期OPとかですよ。これ三つ連続で聞くと、本当に同一人物かと驚くばかりです。いやあ、めちゃ上手いというか、演技力のあるボーカルさんですね。



◆TVアニメ『けものフレンズ』ED
・みゆはん、「ぼくのフレンド」

 

 今年、話題をかっさらったのはむしろOPの「ようこそジャパリパークへ」の方で、もちろんこれはこれで何度も聞いてどったんばったん大騒ぎしたくなる名曲ではあったわけですが、実のところ、個人的にすぐにビビッドにきたのはみゆはんさんによるEDの方でした。廃墟となったテーマパークを背景にして、別離をテーマに高らかに歌い上げる。さっきまで「わー、すごーい」と能天気に見ていた作品のエンディングがこんなに切なくなる別れの青春ソングで印象に強く残ったわけです。はからずも、九月末の騒動でたつき監督と製作委員会は袂を分けてしまったわけですが、たとえどれだけ敵を作ろうとも、しばらくしたら互いに長い近況報告でもして、つまりはどうかよろしくとなってほしいものです。



◆TVアニメ『神撃のバハムート VIRGIN SOUL』前期ED
・DAOKO「拝啓グッバイさよなら」

 

 今年がDAOKOさんの年であったことに異論のある人はいないでしょう。上記から始まり、後期のED「Cinderella Step」も担当し、劇場版アニメ『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』の主題歌「打上花火」を米津玄師とコラボしたと思ったら、TVアニメ『血世戦線 &BEYOND』のED「ステップアップLOVE」では岡村靖幸さんと一緒にパフォーマンスする。破竹の勢いとはこのことだと、まざまざと見せつけるような活躍だったと思います。15年の「水星」から応援してきた身としてはこれほどのステップアップは意外でもあり、またうれしくもあります。益々がんばってほしいところです。



◆TVアニメ『ゲーマーズ』OP
・天道花憐(CV.金元寿子)、星ノ守千秋(CV.石見舞菜香)、亜玖璃(CV.大久保瑠美)「GAMERS」

 

 先述したとおり、最近はメジャーな歌手やバンドがアニソンに参入してきたこともあって、何がアニソンなのかという定義論争が曖昧になってきたわけですが、今年のいかにもアニソンといえるアニソンといえば、わたしはこの曲を強く推したい。何と言っても『ゲーマーズ』のOP映像との調和性がとても心地良い。メジャーレーベルが期待の新人歌手や大物歌手を投入して幅をきかせる時代にはなりましたが、昨年の雀が原中学卓球部の「灼熱スイッチ」(TVアニメ『灼熱の卓球娘』OP)に続き、いかにもなアニソンがまだまだ元気なのはうれしい限りです。ちなみに、今年はWake Up, Girls! の「恋で? 愛で? 暴君です!」(TVアニメ『恋愛暴君』OP)やスフィアの「Heart to Heart」(TVアニメ『つうかあ』OP)も良かったです。



◆TVアニメ『十二大戦』ED
・DO AS INFINITY「化身の獣」

 

 まさかDAIの新譜を2010年代も後半に差しかかって聞くとは……という驚きと共に、もっとびっくりしたのはこれが澤野弘之さんとのコラボレーション第三弾シングルだということ。第一弾の「Alive」も、第二弾の「To Know You」も最高で、このままずっとコラボを続けてくれてもいいんじゃないかなと思ったのは秘密です。ちなみに話は変わりますが、今年も澤野さんは八面六臂の活躍で、TVアニメ『Re:CREATORS』のOPと劇伴だけでなく、TVドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』の劇伴もやっていて、そちらのオリジナルサウンドトラックに所収されている「The Brave」もすげえかっこいいんですよね。前者にも、もろシンディローパーな「HERE I AM」、海原を一気に突き進んでいくような爽快感のある「BRAVE THE OCEAN」もあって、やっぱりわたしは澤野さんに一生ついていきますですはい。


 最後に、上記には取り上げなかった次点になります――

・牧野由依 「Reset」(TVアニメ『サクラダリセット』OP)
・BUMP OF CHICKEN 「GO」(TVアニメ『グランブルーファンタジー』OP)
・D-selection 「LAYon-theLINE」(TVアニメ『賭ケグルイ』ED)
・Kevin Penkin ft, Raj Ramayya 「Underground River」(TVアニメ『メイドインアビス』一話冒頭)
・YURiKA 「鏡面の波」(TVアニメ『宝石の国』OP)





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2017年に刊行された小説新刊ベスト
2017年に刊行された漫画新刊ベスト

2017年に刊行された小説新刊ベスト

2017年12月30日 11:20

 こんにちは、mayaです。
 正直なところ、記事一つだけアップしたらそれだけで満足して、もういいかな、あとは十年後ぐらいで十分かなあ、とか思っていたんですが……こうして何とか小説版もアップできました。本当によかった。

 というか、このブログにTwitterあたりのリンクからやって来てくれる方というのは、わたしの漫画や音楽の趣味になんかさっぱり興味なくて、どちらかと言うと小説の紹介記事だからこそ目を向けてくれる方がほとんどだと思うので、まあ、本丸ぐらいはちゃんと用意しておかないとまずいよねと、気合いを入れて作品をピックアップいたしました。

 さて、前置きはそれぐらいにして、今年は例年以上にミステリやサスペンス、あるいはノンフィクションばかりを読んでいた気がします。わたしはほとんど現役の日本人作家の作品を読みませんので、食指が伸びるのは、海外の文芸か、もしくはSFやミステリなどのジャンルノベルに偏ってしまうわけですが、どうにも今年は文芸作品に目立つものがなかったように思うのです。


 
すべての見えない光 (新潮クレスト・ブックス)
アンソニー ドーア
新潮社
売り上げランキング: 29,344



 たとえば、昨年だったら、年末に遅れて登場したアンソニー・ドーアの『すべての見えない光』(新潮クレストブックス)があって、今年の春先に第三回日本翻訳大賞も取ったほどの出来だったわけですが、今年のクレストブックスのラインアップはというと例年よりもどうにも弱い……。で、クレストがそんなふうにダメだと、あとは白水社、河出書房、早川書房や国書刊行会あたりに頑張ってもらわないと海外文芸シーンは盛り上がらないわけですが……今年はどういう訳かどこも新刊にさっぱりと力がない。実は、わたしはこれを「カズオイシグロ症候群」と呼んでいて、要するに出版社も、本屋さんも、ノーベル文学賞受賞ということもあって、軒先でカズオイシグロをプッシュし過ぎて、今年はもう海外文芸はいいんじゃないかな、という雰囲気になってしまったんじゃないかと。どうせ皆、カズオイシグロぐらいしか買わないしと。実際に、ブッカー賞フェアとかやっている本屋さん全然見かけませんでしたしね。

 というわけで、以下はミステリやSFを中心にした今年出版された翻訳小説のベストテンになります。新刊とはいっても、翻訳モノの都合上、海外では十年前に出たとか、中には80年代の作品の再発掘とかもありますが、あまり気にしてはいけません。あと、十冊といっても、ジャンルごとに適当にまとめていますので、順不同でどれも好きな作品です――


◆海外ミステリ


 
制裁 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
アンデシュ・ルースルンド ベリエ・ヘルストレム
早川書房
売り上げランキング: 219,176



 昨年、『熊と踊れ』(ハヤカワ文庫HM)で海外ミステリベストの上位に名を連ねていた作家による警察・法廷小説。とはいえ、正確には新刊というわけではなく、日本では過去にランダムハウス講談社から出版されていたものの絶版の憂き目にあい、昨年末のブームによって版権を早川書房に移して再出版された作品になります。

 この作家は筆致が独特で、志賀直哉さんのような直情的な短文で一気に畳みかけてくるところがとても心地良いわけですが、それが合わないと挫折しがちで、逆に合うとわたしみたいに熱烈なファンになる傾向があるように思います。中盤からは法廷小説としても楽しめるので、一粒で二度美味しい。既刊の再発掘が待たれる作家さんです。


 
東の果て、夜へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ビル ビバリー
早川書房
売り上げランキング: 22,103

 

 すでに宝島社の『このミステリーがすごい!』で第三位、『週刊文春ミステリーベスト10』で四位、早川書房の『ミステリが読みたい!』でも三位と、すでに一定の評価を受けている作品です。

 たまになぜ海外の作品を読むのかと聞かれることがあるのですが、日本の作品っていわゆる冒険小説が少ないんですよね。あるいは日本の国土の狭さを考えると仕方のない部分もあるのですが、たとえばデニス・ルヘインのようなロードノベルが出てきづらい土壌がどうしてもある。本作はそんなロードノベルの要素だけでなく、アメリカ特有の人種の問題も絡んだサスペンスになっていて、翻訳小説でしか味わえない作品になっています。こういう作品が出てくるから翻訳作品は面白いんですよね。


 
13・67
13・67
posted with amazlet at 17.12.30
陳 浩基
文藝春秋
売り上げランキング: 810



 こちらは原書房の『本格ミステリベスト10』と、『週刊文春ミステリーベスト10』でどちらも第一位を獲得した作品です。いやあ、最早、わたしが紹介するまでもないよなあ……

 昨年から今年にかけてキングの『11 23 67』(文春文庫)にしろ、安里アサトさんの『86 ―エイティシックス』(電撃文庫)にしろ、数字タイトルが当たっている気がしますが、本作では「2013年から1967年」に遡って、香港で起きたそれぞれの事件を横軸に、見えない線で繋がっていくキャラクターを縦軸に据えて、連作短編というモザイクノベルでありながら、一方で全体を通して香港の権力社会を克明に浮き彫りにしていく逆年代記にもなっていて、その圧巻の構成力にため息しか漏れません。今年どれか一つを選べと言われたら、ためらいなく本作をピックアップする。オールタイムベスト級の逸品です。お勧めです。


◆海外ファンタジー


 
嘘の木
嘘の木
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フランシス・ハーディング
東京創元社
売り上げランキング: 10,582



 コスタ賞大賞部門・児童文学部門(旧ウィットブレット賞)のダブル受賞を果たした作品。年末に発売されたことから各社のミステリベストの集計からは漏れてしまっていますが、宮部みゆきさんが「今年のベストだ」と読売新聞社に緊急寄稿したり、杉江松恋さんら著名な書評家が「集計されていたら本作を一位に推していた」と述べたりと、この年末になって文学界隈を大きく揺るがしている作品でもあります。いわば、新刊レビューに力を入れている書評家さんで本作を取り扱っていなければモグリとでも指摘されるぐらい重要な作品になっています。

 ちなみに児童文学部門の受賞もしていることから分かる通り、日本でいうところのいわゆるライトノベルに当たる訳で(本当か?)、そういう意味ではラノベ好きにこそ読んでほしい(これは本気。ハードカバーなのでそこそこ高いけど)。本格的なファンタジー作品であり、またミステリとしても一級品。紛う方なく、傑作です。お勧めです。


◆海外SF


 
時間のないホテル (創元海外SF叢書)
ウィル・ワイルズ
東京創元社
売り上げランキング: 328,784



 そういえば、今年は春先に出たヌーヴェルの『巨神計画』(創元SF文庫)以降、いわゆるSF的なガジェットをがっつりと使ったエンターテイメント巨編があまり出てこなかった気もします。そういう意味では、本作はそんな今年らしさをよく表していたといってもいいでしょうか。

 若島正さんの翻訳だからてっきり、かっちりとした思弁小説かと身構えて、冒頭からしばらくは「これはもしかしてブッカー賞とか狙える文芸作品なんじゃないの」と思いつつも、読み終えて着地した先は――なぜだかラブクラフトが好んで書きそうな外宇宙に広がる歪みだった(真顔)。

 というか売り文句からして、バラード『ハイ・ライズ』×キング『シャイニング』みたいな感じで紹介されていて、どっちも変な建物大好きな偏屈作家なもんだから、これはろくな舞台が用意されていないんだろうなあとは思っていましたが……実際のところ、時間も、また空間も、さらには虚構までもがあまりにおかしかった(半切れ)。それはさておき、クリストファー・ノーランとか、初期のデヴィッド・フィンチャーに渡したら、どんな映像作品になってひねり出てくるのか、とても楽しみな作品でもあります。


 
母の記憶に (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
ケン リュウ
早川書房
売り上げランキング: 143,087



 一昨年、『紙の動物園』(ハヤカワ・ポケットミステリ)でヒューゴ賞、ネヴィラ賞と世界幻想文学大賞を受賞して、日本でも海外SFベストテンの上位を総なめにしたケン・リュウによる日本独自編纂の第二短編集になります。

 正直なところ、まさかの活劇モノとなった《蒲公英王朝記》シリーズ(ハヤカワ・ポケットミステリ)には結構がっかりさせられたんですが、さすがに短編となると地力が出るようで、前短編集と同じレベルで楽しめる作品になっています。つまり、間違いなく今年のSFベストテンの常連としてまた顔を出してくるなという感じなわけです。とはいえ、前作よりは奇想の度合いが小さくなり、その分、バリエーションを増やして、ストーリーテリングが映える作品を詰め込んできた印象を受けます。何にしても前短編集を楽しめた読者には確実にお勧めできる作品で、今現在、アメリカで最も注目されている気鋭のSF作家の一人であることは間違いありません。


 
誰がスティーヴィ・クライを造ったのか? (DALKEY ARCHIVE)
マイクル ビショップ
国書刊行会
売り上げランキング: 173,570



 今年は文芸作品にろくなのがないなあ、と思っていた矢先、国書刊行会が年末にとんでもないものをぶっこんできました。というか、なぜ今になってビショップを翻訳しているの、と問い合わせしたくなったSFファンは少なくないはず……。しかも、ビショップの膨大な著作の中からいまだ翻訳されていないネビュラ賞、ローカス賞受賞作でもなく、また当然のことながら直近で出された作品でもない――驚くことに1984年の作品です。実際に、ビショップの作品はあまりに邦訳が少ないもんだから、日本では「そういえば、ニューウェーブの時代にそんな作家いたよなあ」とSFカルトクイズぐらいにしか出てこない感もあるわけですが、ものはためしに読んでみると……これがめっぽう面白い。まさにAIが機械学習して小説を書くような現代だからこそ再び輝きだすといった作品といえるかもしれません。ちなみにSFというより、タイプライターというガジェットの時点ですでにホラーです。


◆国内作品


 
あとは野となれ大和撫子
宮内 悠介
KADOKAWA (2017-04-21)
売り上げランキング: 98,342



 宮内悠介さんといえば飛浩隆さんと並んで国内のハードSFを牽引する俊英といった印象を受けますが、もし本作に適当なキャッチコピーをつけるとしたなら「そんな宮内氏が挑戦したライトノベル」といったところでしょうか。ずいぶんと昔に、酒見賢一さんの『後宮小説』(新潮文庫)をアニメ化した『雲のように風のように』という作品がありましたが、現代版のそれだよ、と言ったら伝わる方も多くいるかもしれません。

 とはいえ、上記映像作品のようにどこか牧歌的な革命劇が最終的に起こるというわけではありません。そもそも舞台はウズベキスタンとかカザフスタンとかに囲まれた中央アジアの紛争地帯――砂漠にある架空の小国アラルスタン。その大統領が暗殺されたことで、後宮の少女たちが国家運営に乗り出すわけですが、当然のことながら、政治の駆け引きあり、経済の困窮もあり、また戦争もありと飽きさせません。宮内さんの作品はその引き出しの多様さが魅力なわけですが、こんなライトノベルも十二分にいけるんだよと、ファン層を広げること間違いなしの作品です。


 
公正的戦闘規範 (ハヤカワ文庫JA)
藤井 太洋
早川書房
売り上げランキング: 12,300



 2012年にアマゾンの自費出版サービスで出した『Gene Mapper』(後に早川書房で再刊行)で一気に話題となり、その後も作品が各年度のSFベストテンに選出され続けている藤井太洋さん――その初めての短編集となります。とはいっても、掲題作はすでに『伊藤計劃トリビュート』(ハヤカワ文庫JA)に掲載されたものだし、一作目の『コラボレーション』はデビュー作の続編に当たります。

 藤井さんの作品の良さは、単なるサイエンスフィクションとしてではなく、ポピュラーサイエンスの読み物としても十分に優れているところで、近未来のガジェットを分かりやすく明示し、その将来的に起こりうる問題点をうまい具合にストーリーに差し込んできてくれます。おかげで読者は未知のテクノロジーがどんな不安を孕んでいるのかがよく分かる。下手な一般書を読むよりも勉強になります。実際に、デビュー作で指摘したことは、今夏になってグーグルの誤設定による日本国内最大のネット障害という形で具現化しました。掲題の『公正的戦闘規範』はそんな藤井さんによるテロと戦争――そしてテクノロジーと、公正もしくは正義に関する話で、結局のところ、その帰結を見出す為にもぜひ多くの人に読んでほしいところです。


◆ノンフィクション


 
科学捜査ケースファイル―難事件はいかにして解決されたか
ヴァル・マクダーミド
化学同人
売り上げランキング: 45,927



 正直なところ、ノンフィクションだけで別頁を使って大々的に特集してもよかったのですが、わたしの創作の知り合いにあまりノンフィクションを好んで読んでいる人がいない上に、作品などをTwitterで紹介してもさっぱり反応がないので、まあ需要がないんだろうなと、最低限だけピックアプすることにします。

 で、何でよりによってこんな科学捜査の本を選んだのかというと、今年のラ研の企画テーマが「密室」だからです。密室といえば殺人。殺人といえば捜査。というわけで、現代を生きるわたしたちとしては最低限の科学捜査の知識ぐらいは持って創作にあたってほしいなという勝手な願いを込めて本作を紹介したいわけなのです(余計なお世話だ)。

 実際、本作は下手なフィクションよりずっと面白いノンフィクションだから困ります。最近、どんでん返しがマンネリ気味になってきたジェフリー・ディーヴァーの作品なんかよりもずっと面白んじゃないかと首を傾げてしまうほど。もちろん、ちょっとした専門書になるので価格は高めですが、気になった方はまず大きな本屋さんで探して立ち読みでもしてください。絶対に「これ、買わなきゃマズいやつだ」とレジに持っていくはずです。



 
SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録
大森 望 東 浩紀 長谷 敏司 冲方 丁 藤井 太洋 宮内 悠介 法月 綸太郎 新井 素子 円城 塔 小川 一水 山田 正紀
早川書房
売り上げランキング: 37,825



 十一冊目。最期におまけになります。

 まずはこちらのサイトを見てください。だいたいの概要はここに書いてあります。つまりはそういうことです。わたしが無駄に紙幅を費やして紹介する必要なんてないかもしれない……

 それはさておき、サイトを見ていただければ分かる通り、本作は単純な小説の書き方やハウツー本とは異なります。かといって、文学論とかSF定義論争をやっているわけでもありません。講義形式だからと肩ひじ張らず、SFに関する本だと思って読むとちょうどいいかと思います。もちろん、創作に興味のある人にとっては、とても刺激的な作品であることに間違いはありません。

 基本的には気鋭のSF作家陣を講師に招いて、それぞれの作家が持ち寄ったテーマに関して考え、SFとどのように向き合っているのか、あるいは創作環境や技術的なこと――といったふうに、創作論の根底から受講生と一緒になって考えつめていく内容なので、どちらかと言えば各作家のファンにとって必見のファンブックという様相も呈しています。もちろん、それぞれ講義のテーマをもとにした受講生の作品も読めるので、創作をする人は自分ならこう書くかなと考えながら読むこともできるでしょう。すでに第二期も始まっていて、そちらもサイトで公開されているので、リアルタイムで付き合いたい人はぜひどうぞ。





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2017年に刊行された漫画新刊ベスト




2017年に刊行された漫画新刊ベスト

2017年12月29日 18:00


 こんにちは、mayaです。お久しぶりです。
 ブログはよく三日坊主で放置しますよとか、ひどいときなんか一年ぐらい更新忘れますよとか、そんなことを書いておきながら……

 五年も放置していました(呆然)。

 まあ、今はtwitterで親しい創作仲間とは連絡が取れますし、わたしが何を読んでいるのかとかフィードバックもできますし、実生活だったらラインとかフェイスブックとかインスタとかありますし(写真嫌いなんでインスタはやっていませんが)、そういう意味ではブログって情報発信ツールとしては即時性が遅い上に、こういう細々としたサイトだと相互性がほとんどないので、どうしても放置プレイになってしまうのは仕方ないのです。はい。言い訳ですね。

 そんなどうでもいい弁明なんかはさっくり終えたところで、さて、とりあえず、わたし自身の備忘録という意味合いも兼ねて、今日から三日間ほど2017年に何を読んだのか、何を聞いたのか、そして何を観たのかという点でメモでも残しておこうかなと思っています。いわば、17年の漫画、小説、音楽とアニメ・映画の私家版ベスト――まあ、年末にありがちな内容ですが、こういうのはさすがに字数制限のあるSNSだと厳しいので、やはりブログはこういうときに便利だなあと思うわけです。

 以下、17年に発売された漫画新刊のベスト5です――


―――――


 
幼女戦記(1) (角川コミックス・エース)
KADOKAWA / 角川書店 (2016-12-10)
売り上げランキング: 735



――「わたしはその戦場にいました。少佐殿はよく人に誤解されますが、本心では戦争を憂えておいでなのです。戦争を終わらせるためならば、ご自身が冷徹な仮面を被ることも辞さない。お優しい方なのです」(セレブリャコーフ、第6巻より)

 第一巻発売は昨年の12月ですが、今年1月からのアニメ放映に合わせて、漫画の三カ月連続刊行、その後もKADOKAWAという名の無能な参謀本部に馬車馬の如く働かされ、結果としてたった一年で七巻も発売……週刊少年誌で連載する歴戦の漫画家ですら逃げ出してしまうであろう苛酷な戦線を何とかかいくぐって、ときにはtwitterでどう見ても精神的におかしくなっていそうな呟きを繰り返しつつも、我らのトーチカ先生は見事に17年を走り切ったのでした(どこまでコミカライズするのか知らないけど……倒れないでトーチカ先生!)。

 特筆すべきは、アニメのキャラデザなんてなかったことにしてもいいぐらいに、ターニャにしろセレブリャコーフにしろデザインが可愛いこと。ついでに言うと、ゼートゥーアやヴァイスなど男のキャラクターも魅力的でかっこいいこと。正直なところ、このデザインでアニメをやり直してほしいくらい。

 新刊は先月に出た七巻で、やっとアニメの終盤に追いついたといったところ。もしアニメが二期をやるのならトーチカ先生が追いつく春先に何かありそうだけど……はてさてどうなることやら。
(17年11月で7巻発売。刊行中)



 
とんがり帽子のアトリエ(1) (モーニングコミックス)
講談社 (2017-01-23)
売り上げランキング: 2,400



――魔法使いである証。誇りでもあり、魔法を悪用しないために頭にはめる枷でもある。それを被っている限り、その重みを忘れないで。とんがり帽子は君の魔法を見ている。(キーフリー)

 タニス・リー、マキリップやル=グウィンを読んだときのようなファンタジー世界における静謐な美しさ、あるいは苛烈な厳しさを味わえる本格的な作品です。個人的には今年のベストワン。どれか一冊を上げろと言われたならこちらを取り上げます。

 まず、ココたち四人の少女が何と言っても可愛いらしい。特に第二巻で四人が巨鱗竜(ドラゴン)を眼前にして絶望するも、何とか立ち直って、大きなクッションを作ってドラゴンをめろめろにしちゃおうと、そんな作戦を思いつくところがとてもいい。

 そんな純真な少女たちに対して、教師となるキーフリーは「どうしようもない焦りがあって急いで学びたいと思うなら、生活にしてしまうのが一番だよ」と諭すも、どうやら彼の生き方にはそんな焦燥による大きな影が落ちているようです。また、二巻の途中からは禁止魔法と魔警団の存在も大きくなっていき、作品の根底にある魔法使いたちが世界から魔法を秘めようとした「結託の日」が関わっていることが明らかにされます。

 何にせよ、美しい背景描写、魔法陣など解説も含めた奥深い設定に加えて、あどけなくも真っ直ぐなキャラクター、正攻法のストーリーテリングと、全てが見事に揃っている作品。今後がとても楽しみです。
(17年8月で2巻発売。刊行中)



 
Dr.STONE 1 (ジャンプコミックス)
Boichi
集英社 (2017-07-04)
売り上げランキング: 13,141



――大好きでした。何百年も。何千年も……! 助けるからな、杠!(大樹)
――「今ここで永遠に誓ってくれないか。人類の科学文明をここで止めると。そうすれば俺は――千空、君を殺さずに済むんだ」(司)

 今年の週間少年漫画の新刊でベストといったらこれっきゃないでしょう。冒頭でいきなり何千年も恋しているだなんて『創聖のアクエリオン』かよとツッコミたくもなりますが、作品自体も終始、そんな感じでハッタリかましつつスピーディに展開してくれます。

 人類が全て石化してから3700年後の世界ということで、文明は石器時代に戻っていて、そこから科学の知識をもとにいかに現代文明に繋げるかといったCiv要素がある一方で、先にも書いた通りに80年代ジャンプ作品の男臭さも併せ持っていて熱い。

 一つだけ難点を言うなら、個人的にはそんな直情的な大樹くんがお気に入りのキャラクターだったのですが、2巻途中でプロローグ編が終わってからは、主要キャラクターがそれぞれに旅立つことになる為に、以降は大樹くんの動向がさっぱりと分からない……

 4巻もまだ千空くんのターンが進みそうですが、はてさてこの第一章編ではラスボス司くんへの革命軍結成までいくのかどうか、楽しみです。
(17年12月で3巻発売。刊行中)



 
ランウェイで笑って(1) (講談社コミックス)
猪ノ谷 言葉
講談社 (2017-09-15)
売り上げランキング: 12,478



――なんで最初に気づけなかったんだろう。だってわたし知ってるもん。この眼差し。わたしが小さな頃向けられていた目。才能(原石)を見つめる目。そう――これは、わたし、藤戸千雪がトップモデルに至るまでの物語。そして、
「だって、この物語の主役は君だからさ。都村育人くん」
――都村育人がトップデザイナーに至るまでの物語。

 これまた週刊少年誌からの作品。しかも、珍しいファッションというテーマを扱ったもの。さらに言うと、主人公の男の子はおかっぱ。ヒロインの女の子はモデルとしてはありえない低身長。どう考えても打ち切り路線まっしぐらだろうと思われたものの、見事な画力とストーリーテリングで王道を突き進んでいます。

 普段、あまり触れることのないテーマだけに、新鮮さも合わさって、もっか成長中のデザイナー志望の都村くんと、モデル志望の千雪さんがどのようにしてトップを取るのかとても気になるところです。

 一つだけ難点があるとすれば、わたしのファッションの知識というと、メンズファッション誌に載っている程度のものしかないので、作中に出てくるファッションのどこがどうすごいのかいまいちよく分からないこと。漫画だから視覚的に演出するのは当然なのでしょうが、もう少し言葉を重ねて、どういうところが新鮮で、プロの目から見てきらりと光る原石に感じられたのか、そこのところを突っ込んでくれるともっと良いものに映るはず。
(18年1月に3巻発売予定)



 


――よし……計画通りだ……何週間もかけて練り上げたトリックだ……バレる訳がない……!! 名探偵でも現れない限り……な。

 まさか金田一少年の事件簿をまた読み直すはめになるとは思ってもいませんでしたよ。はい。正直に言って大爆笑間違いなしな作品です。多分、今年漫画で一番笑わせてもらいました。電車の中で読んでいたので笑うのが止められずに横隔膜が痛くなるわ、危うく不審者にされちゃうところでした。あとがきの四コマで本作を原作者に読んでもらったエピソードが出てくるんですが、さとうふみやさんが笑いながら「くだらないね~!!」と言っているシーンがとても腑に落ちます。

 あと、意外なことですが、『金田一少年の事件簿』って学生時代の一番頭のやわらかい時期に読んでいたせいか、あるいは暇なときにブックオフの100円均コーナーで立ち読みしていたせいか、わりと内容をしっかり覚えているんですよね。それにこういう言い方も申し訳ないのですが、作者さんのへたうまな加減の絵が作品にマッチしていて、お笑いにおける微妙な間のようなものを生み出していた気もします。

 何はともあれ、年末に出てきて今年一番笑わせてもらった漫画ということで、続巻はもちろん、アニメ化も期待しています。
(17年11月で1巻発売。刊行中)


 以上、五点。ベストといっていますが、順不同でどれも好きな作品です。あと、上記にはあげませんでしたが次点で――

・原作:クール教信者さん、漫画:木村光博さん 『小林さん家のメイドラゴン カンナの日常』(双葉社、17年3月)
・筒井大志さん 『ぼくたちは勉強ができない』(集英社、2017年6月)
・原作:真刈信二さん、漫画:DOUBLE-Sさん 『イサック』(講談社、2017年7月)
・岩本ナオさん 『マロニエ王国と七人の騎士』(小学館、2017年8月)
・小西明日翔さん 『来世は他人がいい』(講談社、2017年11月)

 といったところも面白くて、これにて全部で十冊といったところでしょうか。今年は昨年の『かぐや様は告らせたい』や、一昨年の『ゴールデンカムイ』のような個人的にオールタイムベスト級の一冊といったものが現れず、代わりに全体的に面白いといった豊作の年でもありました。

 余談ですが、昨年のベストは――『恋と呼ぶには気持ち悪い』(16年2月)、『推しが武道館行ってくれたら死ぬ』(16年3月)、『かぐや様は告らせたい』(16年同月)、『さよなら私のクラマー』(16年8月)、『魔王城でおやすみ』(16年9月)となります。時間があったらさりげなく記事追加するかもしれません。



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